第1編 この法律全体で言えること
第一編 総則
第4章 執行猶予について
第四章 刑の執行猶予

第1編 第5章 執行猶予について
第1編 第3章 刑期などの数え方
刑の執行に「待った!」を
- 第25条改正
-
以下に該当する人が“比較的軽い罪”を犯した場合でも、情けが認められる事情があれば、“一定期間”、刑の執行を猶予してもらえることがあります。
この“比較的軽い罪”とは、- 3年以下の拘禁刑
- 50万円以下の罰金
この“一定期間”とは、- 確定の判決が出てから最短で2年以上
- 確定の判決が出てから最長で5年以内
- 一
- 過去に拘禁刑以上の刑に服したことが無い人
- 二
-
過去に拘禁刑以上の刑に服し終えてから5年以上の間、拘禁刑以上の刑に服したことが無い人
過去に拘禁刑以上の刑に復することが免除されてから5年以上の間、拘禁刑以上の刑に服したことが無い人 - 2
-
拘禁刑以上の刑が決まっても《執行猶予》をかけられた人が“さらに軽い罪”を犯した場合でも、さらに深い情けが認められる事情があれば、前項と同様に、一定期間、刑の執行に「待った!」をかけてもらえることがあります。
この“さらに軽い罪”とは、- 1年以下の拘禁刑
とはいえ、執行猶予の期間中に《保護観察》のオプションが付いた人や、二つ目の罪も犯した人は、執行猶予の対象にはなりません。
情けが認められる事情があって、刑の執行に「待った!」がかかることを《執行猶予》といいます。
原文
29
保護観察処分のオプション
- 第25条の2
-
比較的軽い罪で執行猶予が認められている間でも、また罪を犯すおそれがある人に対しては、《保護観察》のオプションがつく場合があります。
執行猶予期間中に、さらに軽い罪で改めて執行猶予がつく人に対しては、必ず《保護観察》のオプションがつくことになります。 - 2
- ひとまず安心と認められた人には、行政官庁の判断により保護観察のオプションは仮の取消処分にしてもらえることがあります。
- 3
- 保護観察が仮の取消処分にしてもらえたら、取消処分が取り消しにならない限り、保護観察のオプションはついていないものとして扱われることが認められます。
原文
30
執行猶予が取り消される
- 第26条改正
- 次の場合は執行猶予が取り消しになります。
- 一
- 執行猶予の期間中に別の罪を犯して、その罪について執行猶予のつかない拘禁刑以上の刑の判決があった場合。
- 二
- 罪を犯してから執行猶予の判決を受ける前に別の罪を犯していて、その罪について執行猶予のつかない拘禁刑以上の刑の判決があった場合。
- 三
-
執行猶予の判決を受けた罪を犯す以前に別の罪を犯していて、拘禁刑以上の刑の判決があったことがばれた場合。
刑をつぐなって五年以上経過している場合(第25条第1項第2号)や、刑の執行が猶予されていた場合は、ばれても取り消しにはなりません。
原文
31
執行猶予が取り消されるかも
- 第26条の2改正
- 次の場合は執行猶予が取り消しになることがあります。
- 一
- 執行猶予の期間中に別の罪を犯して、その罪について罰金の判決があった場合。
- 二
- 保護観察のオプションがつけられたのに、悪質な理由で決め事を守らなかった場合。
- 三
- 執行猶予の判決を受けた罪を犯す以前に別の罪を犯していて、拘禁刑で執行猶予の判決があったことがばれた場合。
原文
32
全ての執行猶予が取り消される
- 第26条の3改正
- 複数の罪で拘禁刑に執行猶予となっている人が、一つでも執行猶予が取り消しになったら、他の罪の執行猶予も全て取り消しになり、罰を受けることになります。
原文
33
無事平穏に過ごすことができたら
- 第27条重要改正
- 執行猶予の期間を無事平穏に過ごすことができたら、猶予期間を終えると同時に刑についての判決は効力を消失し、刑に服す必要はなくなります。
- 2難文
-
執行猶予の期間中に、別の罪を犯して起訴されたら、その罪に対する裁判の決着が着くまで執行猶予の状態が延長となり、判決の効力も延長となります。
執行猶予の状態が延長されている期間のことを《効力継続期間》といいます。 - 3難文
- 別の罪を犯して効力継続期間に突入して執行猶予の状態が続いていたとしても、次の扱いは執行猶予開けで刑についての判決は効力を失っている状態として判断されます。
- 一
- 二
- 実刑判決を受けていないことや、刑が開けていること、形が開けたり刑を受けなくても済むことになってから所定の期間の経過が条件となっている資格を獲得できるかどうかの判断。
- 4
-
執行猶予期間中に犯した別の罪で起訴されて、死刑や執行猶予のつかない拘禁刑が確定したら、執行猶予は取り消しになることがあります。
ただし、執行猶予中の罪と執行猶予中に犯した罪とで併合罪が適用された場合、犯した罪の重さや罪を犯した背景を考慮して、執行猶予を取り消すことは適切ではないと判断されれば、執行猶予を取り消さないことが認められることもあります。 - 5
- 執行猶予期間中に犯した別の罪で罰金刑が確定したら、執行猶予は取り消しになることがあります。
- 6
- 執行猶予期間中に犯した別の罪により執行猶予が取り消しになったら、執行猶予中に受けた他の拘禁刑の執行猶予も取り消しになります。
原文
34
刑期を早めに切り上げて
- 第27条の2改正
-
次に該当する人が3年以下の拘禁刑を犯した場合であって、犯人の境遇に同情の余地が認められ、2度と犯罪を犯させないためには必要だということになれば、刑の一部を短縮して、早めに釈放されることが認められます。
刑の一部を短くすることが認められる期間は、1年以上、5年以内です。 - 一
- 過去に拘禁刑以上の刑に服したことが無い人
- 二
- 過去に拘禁刑以上の刑を受けたものの、執行猶予がついて刑に服さずに済んだ人
- 三
-
過去に拘禁刑以上の刑に服し終えてから5年以上の間、拘禁刑以上の刑に服したことが無い人
過去に拘禁刑以上の刑に復することが免除されてから5年以上の間、拘禁刑以上の刑に服したことが無い人 - 2
- “刑の執行の一部を短縮する期間”は、刑期が切り上げられて釈放れたり、収監されずに済んだ日からカウントします。
- 3
-
刑の執行の一部を短縮することが認められた刑の他にも拘禁刑に服する必要がある場合は、その分の刑期を終えるまで刑の執行の一部短縮が認められることはありません。
したがって “刑の執行の一部を短縮する期間”は、他に服する必要のある刑期が終わり、刑期が切り上げられて釈放れたり、収監されずに済んだ日からカウントします。
“刑の執行の一部を短縮して、早めに刑期を切り上げること”を《刑の一部の執行猶予》といいます。
原文
35
残りの刑の執行猶予中に保護観察処分のオプション
- 第27条の3
- 刑期を早めに切り上げて、残りの刑の執行を猶予してもらえる時には、保護観察処分のオプションがつけられることがあります。
- 2
- 保護観察処分のオプションがついても、行政官庁から処分が仮解除してもらえることがあります。
- 3
- 行政官庁から処分が仮解除してもらえたら、保護観察処分中に守らなければならないことからも開放されます。
原文
36
改めて刑期の残りを服すことに
- 第27条の4改正
- 次に該当する場合は、刑期切り上げによる執行猶予が取り消しになり、改めて残りの刑期のために収監されることになります。
- 一
- 刑期切り上げの後に別の罪を犯して、その罪について拘禁刑以上の刑の判決があった場合。
- 二
- 罪を犯してから刑期切り上げによる執行猶予の判決を受ける前に別の罪を犯していて、その罪について拘禁刑以上の刑の判決があった場合。
- 三
- 刑期切り上げによる執行猶予の判決を受けた罪を犯す以前に別の罪を犯していて、拘禁刑以上の実刑判決を受けていたことがばれた場合。
原文
37
改めて刑期の残りを服することになるかも
- 第27条の5
- 次に該当する場合は、刑期切り上げによる執行猶予が取り消しになる場合があり、改めて刑期の残りを服すことになる可能性があります。
- 一
- 刑期切り上げの後に別の罪を犯して、その罪について罰金の判決があった場合。
- 二
- 保護観察のオプションがついたケースで、必ず守らなければならないことを守らなかった場合。
原文
38
全ての刑期切り上げの執行猶予が取り消しになる
- 第27条の6改正
- 複数の罪で一部の執行猶予になっている人が、その猶予の内の一つでも取り消しになったら、他の猶予も全て取り消しになって収監されることになります。
原文
39
切り上げた期間中、無事平穏に過ごすことができたら
- 第27条の7改正
- 刑期の一部切り上げによる執行猶予の期間中、無事平穏に過ごすことができたら、刑期を猶予された分は初めから刑期に含まれていなかったものとして扱い、それ以降に収監される心配は無くなります。
- 2難文
-
刑期の一部切り上げによる執行猶予の期間中、無事平穏に過ごすことができずに罰金刑以上の罪で起訴されたら、その罪に対する裁判の決着が着くまで刑期の一部切り上げによる執行猶予の状態が延長となり、刑期自体が短くなったことにはならず、再び収監されることもありえる状態になります。
刑期の一部切り上げによる執行猶予の状態が延長されている期間のことも《効力継続期間》といいます。 - 3
- 別の罪を犯して効力継続期間に突入して再び収監されることがありえるとしても、次の扱いは刑期の切り上げにより刑期を猶予された分ははじめから刑期に含まれていなかったものとして判断されます。
- 一
-
- その後も執行猶予をつけるかどうかの判断。(第25条第1項第二号)
- 拘禁刑の刑期短縮を認めるかどうかの判断。(第27条の2第1項第三号及び第3項)
- 拘禁刑以上の実刑判決を受けていたことがバレて、認められたはずの刑期短縮を取り消すかどうかの判断。(第27条の4)
- 他の罪の執行猶予まで取り消しになるかどうかの判断。(第27条の5)
- 罰金刑などの時効のリセットの判断。(第34条の2)
- 刑期を終えて再犯の烙印をおされるかどうかの判断。(第56条第1項)
- 二
- 実刑判決を受けていないことや、刑が開けていること、形が開けたり刑を受けなくても済むことになってから所定の期間の経過が条件となっている資格を獲得できるかどうかの判断。
- 4
-
刑期の一部切り上げによる執行猶予の期間中、無事平穏に過ごすことができずに拘禁刑以上の刑が確定したら、この刑の執行猶予は取り消しになり、再び収監されることになります。
ただし、執行猶予中の罪と執行猶予中に犯した罪とで併合罪が適用された場合、犯した罪の重さや罪を犯した背景を考慮して、刑の一部切り上げによる執行猶予を取り消すことは適切ではないと判断されれば、この執行猶予の取り消しをしないで執行猶予の状態を続けることも認められます。 - 5
- 刑期の一部切り上げによる執行猶予の期間中に犯した別の罪で罰金刑が確定したら、この執行猶予は取り消しになり収監されることがあります。
- 6
- 刑期の一部切り上げによる執行猶予期間中に犯した別の罪により執行猶予が取り消しになったら、執行猶予中に受けた他の拘禁刑の執行猶予も取り消しになります。
原文
40
第1編 第5章 執行猶予について
第1編 第3章 刑期などの数え方
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